「ドッグヴィル」のラース・フォントリアー監督の作品だとは、ちょっと前まで知らなかった。
あれはかなりきつい映画なので、先に見ていて良かったかもしれない。あれに比べたらこの映画は「ある意味」生温いかもしれない。監督もそう思ったから「ドッグヴィル」を作ったんだろうし。 正直ミュージカルが劇中に入るというのが、ミュージカルを理解できない私といっちゃんには「どんなもんか」と言った感じもあった。 死人が蘇って一緒に歌い踊るのを見た時には「おいおいおい。。」とズッコケそうになった。 でもあれがセルマの心の叫びを上手く表しているという事なんだろうな。 彼女を理解する友達も上司も、彼女に好意を寄せてそっと見守る人間もいる。費用が足りないというのに手術してくれる医者や、彼女をかばう女性看守。悪い人間がいない。唯一友達の警察官とその妻くらいか。しかし彼等も元々は、友達思いの優しい人間であった。。そんな中でのあのストーリー展開と結末。 この映画を見た人の多くが、きっと「なんでこんなの見ちゃったんだろう」と思うに違いない。ひょっとすると「なんでこんな映画作ったんだ」と監督を恨めしく思う人もいるだろう。 「これは最期の歌じゃない」「最期から2番目の歌」 切々と歌い上げるセルマにじわりと涙がこぼれてくる。しかしこの監督がこれで許してくれる訳が無い。だってそれがラースなんだから。。 ほら来る。。もう来る。。 予想通りだが、きついラストシーン。 この監督は非常に面白いと思うが、作品はお勧めはしない。
by suga_m
| 2005-04-11 08:19
| 映画
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